天狗娘は幕末剣士


「やあああっ!」




叫び声と共に、杏子は風狸に斬りかかって行った。




ギンッギンッと立て続けに、2人の刃がぶつかり合う音がする。




「もらったあ!」




風狸の刀が勢い良く振り下ろされると、杏子はそれをひらりと飛んでかわした。




そのまま翼を使い、杏子が空から斬りかかるも、風狸は難なくそれを刀で受け止めた。




ギギギ……っと2人は鍔迫り合いを続ける。




しかし……




「おらあっ!」




ギンッと風狸が刀で押し返し、杏子が吹き飛んだ。




だが、これも上手く翼を使い、彼女は空中で体制を立て直した。




「これならどうだあっ!」




そう叫んで、風狸が右手をパッと上げると、上空から地上に向かって、強い風が吹きつけられた。




「くっ……!」




空中にいた杏子は、あっけなく地面に叩きつけられた。




「ああっ!」




「っ杏子!」




俺は、咄嗟に彼女の名前を呼んで、駆け寄ろうとした。




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