天狗娘は幕末剣士
しかし、その前にサッとある人物が俺の行く手を阻んだ。
「っ白竜……」
「手を出さないでもらおうか、これはもののけ同士の戦いだ」
そう言うと、白竜は俺に向かって、右手を突き出した。
すると、そこから突風が起こり、俺は後方に吹き飛ばされた。
「がっ……!!」
木に思い切りぶつかり、そのまま俺はズルズルと座り込んでしまった。
そうこうしている内にも、風狸は風を使って杏子を痛めつけていた。
「ハハッ、天狗が聞いて呆れるぜ!
何も出来ねえじゃねえか!」
高笑いをする風狸を見て、俺はグッと唇を噛み締める。
クソッ!俺には、ただ見ている事しか出来ないのか?!
このままでは杏子が……!
そう思った直後、突然風が止んだ。
「なんだ……?どういうことだよ……」
今まで吹き荒れていた風狸の風が、止まってしまった。
風狸が、もう1度風を起こそうとするが、少しも風は吹かない。