天狗娘は幕末剣士
パアッと笑顔になった平助くん。
だけど、すぐに苦しそうに顔を歪めた。
「いや、でも……お前から貰うわけには……」
「迷ってるね、平助」
ボソッと呟いた総司に、思わず首を傾げる。
「迷ってる?」
すると、総司はコソッと耳打ちしてきた。
「いくら平助でも、女の子にたかるなんて、気が引けるって思ってるんじゃないかな」
ああ、なる程。
食欲と意地の間で揺れてるんだね、平助くん……
「やっぱり……いいや」
「あ、うん。
なんか、ごめんね」
がっくりと項垂れてしまった平助くん。
「平助、へこんでねえで、ちゃっちゃと食っちまえ。
そんでもって、稽古で憂さ晴らしてこい」
「うん、そうするよ……」
涼しい顔をして、土方さんはサラリとその場を納めた。
平助くんは、未だしゅんっとしている。
でも、すぐに何か思いついた様な顔になった。