夜が明けたら、君と。
いや、いいんだけど。
あなたちょっと手が早いですから。
「……でも私、あなたのこと何も知らない」
そう言ったら、彼は慌てて上着を取りに行き、名刺入れから名刺を取り出した。
「怪しい者じゃない」
「はあ」
【JESUS System システム開発部 渡辺壱夜】
あ、知ってる。
うちの会社とも取引のある企業だ。
「私はこういうものです」
【藪川商事 営業企画課 長瀬新菜】
鞄から名刺を取り出して渡すと、あっちも思いあたる事があるのか、気まずそうに目をそらした。
「……とにかく。昨夜のことはまあ勢いとしても。これから俺と始めてみないか?」
困ったように言う彼に、私は小さく頷く。
「とりあえず、昼間のデートから始めてみませんか?」
【Fin.】


