夜が明けたら、君と。
「三ヶ月前、離婚届を置いて出て行った。他に男が出来たらしい。届けを書いたら連絡して欲しいと言われて、俺は悩みに悩んで昨日部屋をとってこのホテルで離婚届を渡すと連絡した。説得して、自分のもとに連れ戻すために」
「はあ」
「でもやってきたのは相手の男だ。俺の妻はもう俺の顔を見ることさえ拒否した。何かが吹っ切れて、離婚届を渡したよ。その後で出会ったんだ、君……ニイナに」
口の中に溜まってくる唾を飲み込めない。
心臓が変な動きをしている。
「互いに忘れたいことがあるなら、利害が一致するかなと思っていた。……でも、話してると君は潔くて意地っ張りで可愛くて。しかも、昨日のあの状況で君は俺の名前を聞いた。……俺は」
彼は一瞬目を細め、私の目元や頬にキスを落とす。
「君と次を始めてみたいって思った。……ダメかな」
呼吸が止まるかと思った。
虫がよすぎる展開についていけない。
本当に?
私騙されてない?
「指輪は……」
「昨日ゴミ箱に捨てた。君も失恋したてだろう? すぐ次とは考えられなくても、立候補する奴が居るってことは覚えていて欲しい」
信じられないまま小さく頷くと、再び塞がれる唇。