生意気な彼女
「中で待っててくれてよかったのに。寒かっただろ?」
ヨウジくんは眉尻を下げ、申し訳なさそうな顔をしてわたしを見る。
「ううん、大丈夫。外にいた方がいいときもあるの。この時期は、とくに」
わたしは、誘惑に負けちゃいそうだから、と付け足して笑ってみせた。
待ち合わせ場所は、ヨウジくんの会社から程近いデパートの南口。
ショーウィンドウも店内ディスプレイも、クリスマスカラーで彩られている。
「普段手に取らないようなものも、勢いで買っちゃうの。とくに、キラキラしたやつ」
ヨウジくんはわたしの言葉を聞いて、
「それは大変だ」
と言って口元を緩めた。
嘘じゃないよ。
でも。
だけど、ほんとは。
外で待っていたほんとの理由は。
ソワソワした心を、落ち着かせるため。
冷たい空気を吸い込んで、気持ちを落ち着かせるため。