好きな人はニセ彼女。
「み、雅山…………」
私がそうやって答えると、
___瀬戸はわずかに笑った気がした。
(………?)
なんで笑うの?なんでそんな少しだけ嬉しそうに笑うの?
私にはさっぱり分からなかった。
けど、瀬戸はさっさと荷物を持って席を離れた。
『……………同じだ、俺と』
そう言われて、「え?」と、言葉をこぼす前に
『じゃあな』って、教室を出て行ってしまった。
………どうしよう、心臓の音止まらない。