オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
先程までイベントが行われていたステージの隅に
簡易的に設けられた取材スペース。
まだ、商品を買い求めるお客様が数名いる中、
俺と天宮凪彩はその場へと再び姿を現した。
俺らから少し離れた場所から希和は俺らを見据えている。
取材陣の質問が次から次へと飛び交う中、
ステージ裏から俺の父親と天宮の社長、
そして、秘書の三浦も静かに姿を現した。
報道陣のカメラは俺らに向けられていて、
社長達の登場は気付かないようだ。
すると、両社長は従業員通路へと姿を消した。
恐らくこの後、昼食をとるものと思われる。
俺もそろそろ退散したいと思い始めたその時、
俺の視界に映る希和に話しかける男がいた。
―――――秘書・三浦。
希和は一瞬驚いた表情を見せたが、
その後、手にしていたミネラルウォーターを三浦に手渡した。
そんな2人に視線が釘付けになっていると、
「御影さん!ご婚約のお噂がありますが、そのお相手が天宮さんなのでは?」
「えっ?」
希和達に気を取られ、取材陣の質問を聞き流してしまった。
そんな俺をフォローするように、