オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


先程までイベントが行われていたステージの隅に

簡易的に設けられた取材スペース。

まだ、商品を買い求めるお客様が数名いる中、

俺と天宮凪彩はその場へと再び姿を現した。


俺らから少し離れた場所から希和は俺らを見据えている。


取材陣の質問が次から次へと飛び交う中、

ステージ裏から俺の父親と天宮の社長、

そして、秘書の三浦も静かに姿を現した。


報道陣のカメラは俺らに向けられていて、

社長達の登場は気付かないようだ。


すると、両社長は従業員通路へと姿を消した。

恐らくこの後、昼食をとるものと思われる。


俺もそろそろ退散したいと思い始めたその時、

俺の視界に映る希和に話しかける男がいた。

―――――秘書・三浦。


希和は一瞬驚いた表情を見せたが、

その後、手にしていたミネラルウォーターを三浦に手渡した。


そんな2人に視線が釘付けになっていると、


「御影さん!ご婚約のお噂がありますが、そのお相手が天宮さんなのでは?」

「えっ?」


希和達に気を取られ、取材陣の質問を聞き流してしまった。

そんな俺をフォローするように、



< 105 / 456 >

この作品をシェア

pagetop