オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「私達はそんな関係ではありません。それは、あくまでも噂ですから」
「えぇ~でも、火の無い所に煙は立ちませんよねぇ~」
報道陣の執拗な質問に無意識に眉間にシワが寄る。
「天宮さんの言う通り、事実ではありません」
「そうなんですかぁ~?では、そのお相手はどんな方なのですか~?」
「………そうですねぇ~」
顏にマスコミ対応の笑顔を貼り付け、
心の目では真っ直ぐと希和を捉えている。
おい、三浦!
それ以上、希和に話しかけんなッ!!
怒り狂う嫉妬心を必死に押さえ込んで……。
「では、天宮さん!大学をご卒業された事ですし、そろそろそういうお相手がいらっしゃるのでは?」
「えっ……?」
天宮も希和達の様子が気になるのか、
報道陣の質問に即答出来ないでいる。
仕方なく、今度は俺がフォローすると!!
希和と三浦は俺らに背を向け、何やら座り込んでしまった。
大きなカメラや照明器具が目の前を塞ぎ、
しゃがみ込んだ2人が視界から消えてしまった。
完全に動揺した俺は、長谷川に終了を促す合図を送る。
これ以上は無理だ。
希和が気になって取材どころじゃない。
報道陣に向け、最後に笑顔を残して
俺と天宮はステージ裏へとその場を後にした。