リライト
リライト

「綺麗……」



言いかけて、思わず言葉を呑み込んだ。



大きな扉の向こうに広がっていたのは、眩い光に満ち溢れた空間。
ぐるりと見渡して、私は天を仰いだ。



ドーム型の高い天井は一面のガラス張り。降り注ぐ日差しが、白い壁と壁に埋め込まれたステンドグラスに反射している。さらに日差しは、長く延びたバージンロードの白い色を眩く浮かび上がらせて。



光に包まれていると心地よくて、現実を忘れてしまいそうになる。



「多恵(たえ)、気に入った?」



隣に立った一樹(かずき)の柔らかな声が、私を現実へと引き戻す。



「うん、壁の白い色とステンドグラスの青色が素敵。写真よりも実際に見た方が何倍も綺麗だね」

「プロの写真も敵わないな、ここは駅から近いから便利だと思うよ、どう?」

「一樹はどう? 気に入った?」

「ああ、多恵と同じ気持ちだよ」



一樹は穏やかな笑顔を見せて、繋いだ手に力を込めた。






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