サクセサーズ
「ジスト帝国の王族は地の紋章を守っておる。ファラオにお願いして、紋章を譲り受けてもらうのだ」



リリィはキーラの話を聞いて、自分に課せられた使命の大きさを大いに感じた。



こんな自分にそんな世界の存亡にかかるようなことを何故星達は課せたのかはわからないが、その運命と向き合わねばならないことは確かである。



落ち着きのないリリィの頭をキーラは杖でコツンと殴った。痛いと悲痛の声をあげているリリィに、綺麗な髪留めを差し出した。




「お主にお守り。流れ星の欠片で作られたといわれる髪留めじゃ。つけてみるとよい」



それは、白い宝石が埋め込まれており、赤いリボンが結ばれている綺麗な髪留めだった。



早速、三つ編みをほどいて後ろ髪の上の部分をそれで結んだ。ほどいた三つ編みの部分がほどよくカールしていて中々似合っていると周りの者は感じた。




「お婆ちゃん、どうもありがとうございます…だ、大事にします」



ぎこちなくニコッと笑うと、水面に映る自分の姿を見てリリィは髪型でこんなにも印象が変わるんだなとしみじみ感じていた。
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