俺様魔王の甘い口づけ



身体を起こせるようになって、私はまたルイの部屋の前に来ていた。
ノックをしても返事はない。

ゆっくりと扉を開ける。



「ルイ…」




すっかり暗くなった部屋の中。
その中でルイの姿を見つけた。




「こんな暗い中で…」

「来るな」

「え?ルイ…?」

「俺に、近づくな」




怯えたような声が聞こえる。
本当に、ルイの声なの?




「ルイ…?どうして?」

「聞こえなかったのか、近づくなと言ったんだ」

「いや!」




何かに、苦しんでるんでしょう?
それなのに放ってなんて置けないよ。
もしかしたら、それは私のせいなんじゃないの?




だって、それ……。






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