俺様魔王の甘い口づけ
目を覚ますと、ベッドの上だった。
気を失ってしまっていたらしい。
「気が付いたか?」
「ルイ…」
「すまない」
目を覚ました私にルイは一言そう言った。
謝る意味が分からなくて、私は首を横に振る。
「加減が…わからず、少し吸いすぎてしまった」
「…いいよ。生きているから」
ルイは、私を生かしてくれた。
それだけで十分。
血を吸ってほしいと言ったのは、私なんだから。
「ルイ、辛くなったら言ってね?私の血、あげるから」
「……」
その言葉にルイはなにも言わず、そっと私の頭を撫でた。
ルイの表情からは、なにも感情は読み取れない。
いったい何を考えているんだろう。
「ルイ…?」
「…ああ」
私が再度呼びかけると、ルイはハッとしたようにそう頷いた。