俺様魔王の甘い口づけ
「この姿になれば、対抗することもできたんだけどさ、つい忘れてて」
「阿呆だな」
「いちいち突っかかるなあ。だから、助けてくれてありがとう」
助けたと言えば、あのお猿さん。
私が一緒に寝ていたのも、あのお猿さん。
でも、目が覚めて隣にいたのはこのキイって子。
え、え、え?
ちょっと待って、それって、どういう…。
「まだわからんか。あの猿は、こいつだ」
「……え、ええ!?な、なんで!」
「今の姿がこいつの本来の姿。あの猿の姿はこいつが化けた姿だ。悪魔の中には化け学を得意とする者がいる」
「ハンスもそれを知ってたの…?最初は獣型の悪魔だって言ってたでしょう?」
「最初は気づいていなかったんだろう。様子がおかしかったのなら、途中で気づいたのだろう」
だから、私が飼うって言った時戸惑ってたんだ。
言い出せなかったんだろうな…。
私、ものすごくワクワクしてたもん。
あ、あれ…。
そう言えば、私…。
「ね、ねえ。私の裸見た!?」
血の気が引く。
そう言えば、私昨日お猿さんと一緒にお風呂…!