俺様魔王の甘い口づけ
「それに、おれはめーちゃんにも興味があるんだ」
「え?私?」
「あのルイが心を開いた人間。もう、そんな事絶対にないって思ってたからね」
キラキラと目を輝かせる。
なんだか、ルイやハンスとは違ったタイプの悪魔だ。
とても明るくて無邪気。
「見た限り、特別綺麗なわけでもないみたいだけど」
「…あのねぇ…」
どうせ!
女らしさなんて欠片もありませんよ!
頬を膨らませる。
「でも、おれは好きだよ?綺麗な人って気取っててなんか癇に障るじゃん」
「それ、喜んでいいのかわからない」
「え、喜べばいいんじゃない?」
こういうはっきり言う所が、悪魔、なんだろうか。
「ま、そもそも人間なんて好きじゃないけど」
「え…?そうなの?」
人間と悪魔。
確かに相いれなさそうだけど。
「人間なんて、情を移したって無駄じゃん?」
「なんで?」
「人間なんて、すぐ死ぬんだから」
その声は、酷く冷たかった。