俺様魔王の甘い口づけ



それでも、私が。
それでも私が決めたことなの。



ここで、無駄にしたくないの。





「信じて、いいんだな」

「・・・うん」




胸が痛む。




「そうか」




ルイは、そう言うと踵を返して出て行った。
私はギュッと拳を握る。



ルイにウソをついた。



ルイを守りたい一心だけど。
でも、嘘には変わりない。



私、どうしたいんだろう。



ルイを騙すようなことして。




後ろめたいんだ。
自分でも、こんなことになるなんて思ってなかったから。


自分の心臓と引き換えに、ルイを救う方法を手に入れるなんて。




< 279 / 425 >

この作品をシェア

pagetop