俺様魔王の甘い口づけ
それでも、私が。
それでも私が決めたことなの。
ここで、無駄にしたくないの。
「信じて、いいんだな」
「・・・うん」
胸が痛む。
「そうか」
ルイは、そう言うと踵を返して出て行った。
私はギュッと拳を握る。
ルイにウソをついた。
ルイを守りたい一心だけど。
でも、嘘には変わりない。
私、どうしたいんだろう。
ルイを騙すようなことして。
後ろめたいんだ。
自分でも、こんなことになるなんて思ってなかったから。
自分の心臓と引き換えに、ルイを救う方法を手に入れるなんて。