俺様魔王の甘い口づけ



なぜ嘘なんかつくんだ。
魔術師と、契約をしたのか?



なんの契約をした。




芽衣子は、なにを得たんだ。





聞きたくて、聞きたくて、仕方ない想いを封じるため。
芽衣子の存在を無視することにした。

そうすることでしか、自分の想いを封じることができなかった。



そうでもしないと。
芽衣子を自分の想いのまま追求し、傷つけてしまう事がわかっていたから。




知らないふりをして、今まで通りになんて。
ルイにはできなかった。





「芽衣子・・・目を開けてくれ・・・」




いつしか、芽衣子の存在が自分の中で大きくなっていることに気づいた。
自分が熱で倒れる前に芽衣子に問うた言葉たちは、本心だ。



こんな気持ち、知らない。




この気持ちの名を芽衣子の声で聴けば、素直に受け入れられる気がしたのだ。






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