俺様魔王の甘い口づけ
「人間だ!!」
突然木の陰から飛び出してきた魔物。
一目散に襲い掛かってくる。
「うわあああああ!!」
リオンは大声を張り上げ、必死で逃げる。
ちょ、ちょっと!!
なんのためについてきたのよ!
私も、少し遅れながらも逃げ出す。
必死で駆け出し、足を動かす。
しかし、魔物の素早さには勝てなかった。
魔物の手が私の肩を掴み引き倒す。
急に反対側に引き倒され尻餅をつく。
「ククク、人間だ」
真上から不気味な声が降る。
私は恐る恐る見上げる。
獣の顔をした魔物が長い舌を出しながら笑う。
「いやああああああ!」
大口を開け、降りてくる魔物。
鋭い牙がこちらに向かってやってくる。