俺様魔王の甘い口づけ



そんな、まさか。




でも、異世界に飛んできてしまった私だ。
そういうことだってありうるのかもと、納得してしまっている。


だとしたら、あの城の中にいるのはいつの頃のルイなんだろうか。
私の事なんて知らない、冷酷で残酷なルイ・・・?



それならば、会うのが怖い・・・。
またあのルイをみなければならないのか・・・。


それでも、ここにいたところで何もできない。
仕方なく私は一度人間界の方へ向かい、変装を施してルイの城に戻ってきた。



例えばもし、ここに過去の私がいたとしたら・・・。
そうでなくても、これから先ルイは私に出会うのだ。

そうなるときっと矛盾が生じることになる。
それで未来がもし変わってしまったとしたら。



そんなに簡単に過去は変わらないとは思っても、万全を期すために。




「よし」



あの城に乗り込もうとしているのは、ただ居場所がなかったからか。
それとも、好奇心からか。


わからないけれど。




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