最後のひとり
たいち「あいつ、本当に信用できるのかよ…。」

まなみ「…うん、でも高田くんはお父さんのお手伝いとか弟君の面倒よく見てて本当に優しい人だよ…!」

たいち「…後つけてみるか。」


高田くんは階段を上がって一組の教室に入っていった。


まなみ「なんで…1組に?」

『ーーカッ!』

まなみ・たいち「?!」


屈んだ時に胸ポケットに入れていた毒と毒消しのカプセルが入ったケースを落としてしまった。


まなみ「…あっ!」

たいち「ばっ、声出すな!」

樹「二人とも、何してるの?」

まなみ「わっ!!!」

たいち「いや、その…」

樹「誰かと思ってピックりしたよ(笑)」

たいち「…お前、教室で何してたんだよ。」

樹「俺、学校途中できたから武器なくてさ、教室に行けばあるかなあって思ってさ。」

まなみ「なんだ…私てっきり…。」

樹「何?俺の事疑ってたの?(笑)」

まなみ「ごめんね、高田くんはそんな人じゃないよね。」

樹「いいよ、こんな状況だから疑っても仕方ないって!」

たいち「…俺はお前が大量殺人犯だと思ってる」

まなみ「ちょっと、たいち!!」


たいちは高田くんにあたりが強い気がする。たいちは体育館に向かって歩いていってしまった。


まなみ「ちょっと待ってよ…!」


私はあわててたいちを追いかけた。


まなみ「ごめんね?高田くん…。たいち、いつもはあんな風じゃないんだけど…」

樹「いいよ、俺はもう少しここに残るよ。」

まなみ「えっ…、あ、うん!じゃあまたね!」


私は急いでたいちのところへ走った。

…正直、私もまだ疑っていないと言えば嘘になる。
廊下にいても少し臭うのに、教室に入っても平気でいられるなんて少し変だ。高田くんが解らなくなった…。

この日は疲れていたからか沈むように眠りについた。
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