【完】狼様の最愛。
クンと知り合って数ヶ月が経った頃、俺は呟くようにクンにそう言った。
それからしばらくは学校でのテストがあって、クンとは会わなかった。
そして何日かぶりに顔を合わしたクンは、見た目上俺の知るクンじゃなくなっていた……。
「誰だよ、お前……。」
「俺だよ、護! クン!」
クンは人間の姿になって、俺に会いに来た。
どうやら動物の一部には、昼の間だけ人間の姿になれる、なんて強い力を持った動物がいるらしい。
その動物がクンの住む山にもいて、クンは血を分けてもらった?らしい。
正直、その原理とか意味は全く分からねえけど。
血さえ分けてもらえば、自分もその一日の昼の間だけ、人間の姿になれるからとか。
クンは俺にそう言った。