【完】狼様の最愛。








俺は咄嗟に窓の外を見た。



もうマンタの姿は見えない。





「ねぇ、パパ。クン兄って、誰? 勲友とお名前、似てるね。」





勲友を見れば、勲友はジッと俺の眼を見ていた。








もしかするとでもなく、勲友は俺と同じなのだろうか。



動物の言葉がわかる、いつしか俺が持っていた体質と同じなのだろうか。





……いや、きっとそうだ。





勲友はきっと、クンが俺にくれた最後の贈り物。





勲友が生まれたのは俺が二十二歳のときだから、クンは勲友を知らない。





ずっと見せたかったって思ってたが、案外クンは今でも、俺達の近くにいるのだろうか。





「クン……。」



ソッと呟くように名前を呼んだ。








< 162 / 376 >

この作品をシェア

pagetop