【完】狼様の最愛。
俺は咄嗟に窓の外を見た。
もうマンタの姿は見えない。
「ねぇ、パパ。クン兄って、誰? 勲友とお名前、似てるね。」
勲友を見れば、勲友はジッと俺の眼を見ていた。
もしかするとでもなく、勲友は俺と同じなのだろうか。
動物の言葉がわかる、いつしか俺が持っていた体質と同じなのだろうか。
……いや、きっとそうだ。
勲友はきっと、クンが俺にくれた最後の贈り物。
勲友が生まれたのは俺が二十二歳のときだから、クンは勲友を知らない。
ずっと見せたかったって思ってたが、案外クンは今でも、俺達の近くにいるのだろうか。
「クン……。」
ソッと呟くように名前を呼んだ。