トライアングル a white time
――――はぁ……。



意気込んだはいいが、思わず漏れる、溜め息が。



「……重い」



ちょっと、買いすぎたかな。


イメチェンの為のオシャレな服、イイ女を目指すのはそれなりにお金もかかる。



「……近道、して行こう」


ウォーキングは大事だけど、疲れはお肌には大敵だと。


だけど。


……本当はあまり通りたくない道。


この辺りは校区内、下手したら顔も見たくないクラスメイトとバッタリ……なんて事も。



「ちょっと気が重いけど……まぁ、大丈夫か」



一瞬躊躇いはしたものの、今日の気分の良さに推された私。


学校での今迄の事を思い出し俯いてしまった顔、吹っ切るように顎を上げて歩き出した。


大通りから一本道を入れば、突然に静かな住宅街。


中学生活では見馴れたその道も、今日の私には違って見える。


私はオシャレな高校生(まだだけど)


いつもは一つに結んだ髪をほどき、少し大人びた服と覚えたてのメイク。


以前とは変わった自分をイメージしながら、お腹に力を込めて颯爽と歩いてみた。


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