トライアングル a white time
イイ女、の材料が詰まったその袋は、けっこうな重さもあり矢島は面白いほどのスピードで壁に激突してくれた。



「それって、やばくない?」


「やばくない!」



と、思いたい。


だってあの時。







「――――ってぇ……」



と言って蹲る矢島の横で、児島はお腹を抱えて笑い転げていたから。



「――――おまっ……馬鹿ぢから」



そう言いながら立ち上がった矢島に、私は一瞬怯んだのだけど。


矢島の顔は。


怒ってはいなかった。



「ふ~ん、聖。結構やるじゃん」



児島が、さっき投げつけたイイ女の袋を拾い上げ「ほい」と私に差し出したり。


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