私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーーーーPM10:25


悪魔からの意地悪が終わった後、お風呂に入った私は、いつもの様にリビングで隼に髪を拭いてもらっていた。


「いつも思ってたんだけどね、」


『ん?』


「…隼ってキスしないよね。」


瞬間、隼の手が止まる。

気付いてたけど今まで怖くて、聞けなかった問いの答えを待つ時間はとても長く感じられた。


『…キスが嫌いだからしない。
それだけ。』


いつもと違う棘の含まれた声音。


「そっか。」


『はい、髪の毛拭き終わったよ。』


ねぇ、隼。

あなたに
そんな声を出させるのは、

ーー一体誰なの。
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