至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「壱冴!!!」


叫びながら、後ろを振り返る。


スモークが掛かった車内からは、薄暗いけれど。


その場に立ち尽くしたまま、こっちに視線を注いでいる壱冴がだんだん小さくなっていく。


そんな姿は、消えるよりも先に涙で見えなくなって……。



なんでっ……。


壱冴、なんでよ……。


壱冴は、信じられると思ったのに……。



……やっぱり、人なんて簡単に信じちゃいけないんだ……。




「二宮さんに盾ついてんじゃねえよ」


そう言った澤城が合図になったのか、他の男がハンカチをあたしの口に当てた直後。


「……っ……」


あたしの意識は遠のいた。
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