もしも明日が来なかったら。

ゆっくり席に戻り、絵を書く。
あごが出ていて、輪郭はナスみたい。
髪の毛がもこもこしていて金髪。

「……(ナス崎)」

とっさに思いついた名前だった。
自分でもださいと思う。

「あ、佐倉さん……、」

小走りで先生が走ってくる。
なんだ、と思ったら

「とりあえず、なんでもいいから書いてごらん?
自分の今の好きな物とか、はまってるものとか……!」

「……ないんです、ほんとに。」

「うーん、そっかー……
ほんとに、お友達とおしゃべりする事とかでもいいから書いて!」

頑張れ、と言って
教卓に戻っていく。

いつからこんなキャラになったんだろう。
いつからこんな泣き虫になったんだろう。
いつからこんな勉強が出来なくなったんだろう。

なんで、いつから、どうして……
たしかに、勉強していないのもあった。
それよりも家の環境。
親が帰ってくるのは遅いし、夕飯も食べてなかった。
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