それが愛ならかまわない

「……椎名って冷たいようでいて意外と世話焼きなとこあるよね」


 とりあえず予想以上に重量感のあるフルーツゼリーを手に取りながら照れ隠しに早口で言うと、いつもの冷たい視線が飛んで来る。


「迷惑撒き散らした挙句にまた八つ当たりされたら面倒臭い」


「だからそれはごめんってば!ありがたく頂きます。……椎名も何か食べる?」


「俺は帰りに弁当買って行くから」


 椎名の言う弁当とはあの隣にあるいつものお店の事らしい。
 眠って眼が覚めたのだからもう帰宅してもいいはずなのに、向かいに座って私がゼリーを口に運ぶのをじっと見ている彼はどうやらバイト先まで送ってくれるつもりの様だった。
 相変わらず眼鏡は外されたままテーブルの上に置いてあって、なるべく眼が合わない様に気をつけているのに、時折交差する視線に鼓動が早くなるのを感じる。


「……なあ、ローンの残額は?」


 不意にストレートな質問が飛んで来て、思わず正面から眼を見返してしまった。


「教えないって言ったでしょ」

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