それが愛ならかまわない

「そんな風に見えました?」


「二人で居る時の雰囲気が椎名も篠塚ちゃんも何か普段と違うんだよね。それに椎名。お前うちに配属された時に、新人研修で可愛い子いたかって聞いたら同じ班だったっていう篠塚ちゃんの名前挙げたよなあ。結構本気っぽかったからあえて黙って見守る事にして……」


「え?!」


「長嶺さん!!」


 椎名が突然の暴露に慌てたように長嶺さんの言葉を遮る。
 焦る椎名なんて初めて見た。最近じゃもう例え内心パニックに陥っていてもその気になればクールな顔を貫き通せるのが彼だと思っていたから、長嶺さんの爆弾発言以上に椎名本人の様子が意外なんてレベルじゃない。
 ていうか研修で同じ班だった事あったのか。定期的に組み直しさせられて同じ人とずっと一緒の班という訳じゃなかったので、正直あまり覚えてない。そもそも入社したばかりの頃の私はローンの支払いの事もあって早く仕事出来る人間になりたくて焦ってばかりいた。愛想を振り撒きつつも内心先輩社員や上司への能力アピールに必死だったので、正直同期なんて眼中になかった。


「……顔が、タイプだったんだよ……。でなきゃあんなめちゃくちゃな誘い乗るか」

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