風が、吹いた
ー嫌い、か。
昨日佐伯さんからは、そうじゃないと言われた。
そうなると。
関わる=面倒=嫌い=ひとりがいい
この方程式は壊れてしまうわけで。
誰かと接することを今まで避けていたけれど、私は戸惑っていただけだったのだろうか。
どうやって、接すればいいのか、わからないだけだったのだろうか。
「うーん…」
深く思い悩みだした私に、浅尾は返答に窮したのだと勘違いしたようだった。
「いや、なんか、そういう風に見えただけだから。」
慌てて、答えなくていいと言ってくる。