風が、吹いた
「で、なんでそんなこと聞いてきたの?」
授業が終わって教室に戻る途中で、不思議そうな顔をして、浅尾が言った。
「私ね、椎名先輩と友達になったの。」
「は?!」
私の一言に、浅尾が立ち止まる。
「?なんかおかしい?っていうか浅尾こそ、さっきから椎名先輩の事やけにつっかかるね。知り合い?」
予想外の反応に、若干不愉快さを感じながら、振り返る。
「……部活の先輩」
居心地が悪そうに、浅尾が答える。
ーあれ。そうだった。
「浅尾、何部だっけ?」