君の名を呼んで 2
浮気の定義は何ですか
ーー結局、一睡も出来なかったな。
私は重い頭を引きずりつつ、一人だと無駄に豪華過ぎる朝食を食べる。
せっかくの上級コース料理も上手く喉を通らない。
ずっと待っていても、皇から連絡は無くて。
沈みそうになる思考を、無理矢理に上向かせた。
「よ~っし、一人で露天風呂入っちゃうもんね」
昨夜は動揺して堪能出来なかった、部屋付きの露天風呂。
絶景を眺めながら、熱いお湯に身体を沈めて。
大きく息を吐いた。
贅沢、だけど。
地味に寂しいわ、これ。
しばらくそうしていたら、近くに置いた携帯が震え出す。
慌てて手を拭いて通話を押した。
「もしもし、皇っ!?」
私の声とは裏腹に、彼の声は沈んでいて。
『雪姫、悪いが今日もそっちには戻れそうにない』
……どうして?
「ナナミちゃんに何かあったの?」
私の問いに、皇はいや、と否定する。
『とにかく、戻れない。お前はもう一日ゆっくりしてくるか?』
「私もそっちに帰ります。大丈夫、電車で帰るから」
ふと。
浮かんだ嫌な気持ち。
説明してくれないの?なんて。
昨日の話題を振り払うようにわざと明るい声を出す。
「なにかお土産買っていきましょうか!すず達にも」
『雪姫』
聞きたくない。
謝罪も言い訳も必要ない。
皇は自分の仕事をしてるだけ。
……そうでしょう?
私は重い頭を引きずりつつ、一人だと無駄に豪華過ぎる朝食を食べる。
せっかくの上級コース料理も上手く喉を通らない。
ずっと待っていても、皇から連絡は無くて。
沈みそうになる思考を、無理矢理に上向かせた。
「よ~っし、一人で露天風呂入っちゃうもんね」
昨夜は動揺して堪能出来なかった、部屋付きの露天風呂。
絶景を眺めながら、熱いお湯に身体を沈めて。
大きく息を吐いた。
贅沢、だけど。
地味に寂しいわ、これ。
しばらくそうしていたら、近くに置いた携帯が震え出す。
慌てて手を拭いて通話を押した。
「もしもし、皇っ!?」
私の声とは裏腹に、彼の声は沈んでいて。
『雪姫、悪いが今日もそっちには戻れそうにない』
……どうして?
「ナナミちゃんに何かあったの?」
私の問いに、皇はいや、と否定する。
『とにかく、戻れない。お前はもう一日ゆっくりしてくるか?』
「私もそっちに帰ります。大丈夫、電車で帰るから」
ふと。
浮かんだ嫌な気持ち。
説明してくれないの?なんて。
昨日の話題を振り払うようにわざと明るい声を出す。
「なにかお土産買っていきましょうか!すず達にも」
『雪姫』
聞きたくない。
謝罪も言い訳も必要ない。
皇は自分の仕事をしてるだけ。
……そうでしょう?