君の名を呼んで 2
***
ごくごく普通の、一般家庭。
家族四人で幸せを築くはずの家。
ナナミちゃんの家はうちからほど近い、住宅地の一軒家だった。
彼女の家に向かう車中から、城ノ内副社長がナナミちゃんのご両親に連絡を入れてくれていた。
今日は学校がお休みの日曜日、運良く二人とも在宅していて。
今はナナミちゃん宅のリビングにそのご両親が座っていて、向かいには私とナナミちゃんが座る。
離れたダイニングテーブルでは、ナナミちゃんのお兄さんが不機嫌そうにしていた。
皇は部屋の入口に腕組みをして立っていて、どうやら『好きにやれ』のお許しが出たみたい。
「まずお二人に見て頂きたいものがあります」
私は持ってきた段ボール箱をひっくり返した。
「な、何をするんですか!」
ナナミちゃんのお母さんの静止もよそに、私は中身を全部ぶちまける。
テーブルの上に広がる、色とりどりの手紙の山、山、山ーー。
「これは全て、ナナミちゃんへのファンレターです。
“トリチェリ”宛のものも含めれば、この倍以上あります」
私は一枚取り上げて、ナナミちゃんのお父さんに手渡した。
彼は苦い顔で、けれど受け取ってくれる。
薄い紙を開いて、目を通して。
「『僕は不登校でした。でもあなたの頑張る姿に、もう一度……』」
「『あたしもナナミちゃんのようなアイドルになりたい……』」
隣に居たお母さんも、興味を惹かれたように読み出した。
私はご両親を見つめる。
「まだCDデビュー前ですが、彼女達はもう活動をしています。毎日レッスンをしながら、イベントに出たり、営業にまわったり。
その中で彼女を見た人、話をした人が、彼女のファンになってこれだけ反応を示したんです」
頑張る彼女達を見て。
ごくごく普通の、一般家庭。
家族四人で幸せを築くはずの家。
ナナミちゃんの家はうちからほど近い、住宅地の一軒家だった。
彼女の家に向かう車中から、城ノ内副社長がナナミちゃんのご両親に連絡を入れてくれていた。
今日は学校がお休みの日曜日、運良く二人とも在宅していて。
今はナナミちゃん宅のリビングにそのご両親が座っていて、向かいには私とナナミちゃんが座る。
離れたダイニングテーブルでは、ナナミちゃんのお兄さんが不機嫌そうにしていた。
皇は部屋の入口に腕組みをして立っていて、どうやら『好きにやれ』のお許しが出たみたい。
「まずお二人に見て頂きたいものがあります」
私は持ってきた段ボール箱をひっくり返した。
「な、何をするんですか!」
ナナミちゃんのお母さんの静止もよそに、私は中身を全部ぶちまける。
テーブルの上に広がる、色とりどりの手紙の山、山、山ーー。
「これは全て、ナナミちゃんへのファンレターです。
“トリチェリ”宛のものも含めれば、この倍以上あります」
私は一枚取り上げて、ナナミちゃんのお父さんに手渡した。
彼は苦い顔で、けれど受け取ってくれる。
薄い紙を開いて、目を通して。
「『僕は不登校でした。でもあなたの頑張る姿に、もう一度……』」
「『あたしもナナミちゃんのようなアイドルになりたい……』」
隣に居たお母さんも、興味を惹かれたように読み出した。
私はご両親を見つめる。
「まだCDデビュー前ですが、彼女達はもう活動をしています。毎日レッスンをしながら、イベントに出たり、営業にまわったり。
その中で彼女を見た人、話をした人が、彼女のファンになってこれだけ反応を示したんです」
頑張る彼女達を見て。