拾った子犬(系男子)は身元不明
内側から鍵をかけ、ため息をつく。


見るんじゃなかった。


一瞬目が合った事で、わかったことは3つ。



ソレは、男だということ。


彼は、年下。しかも、おそらく未成年だということ。


そして、かなりのイケメンだということ。



小さい顔にクリッとした瞳、スッと通った鼻筋。一瞬しか見なかったが、間違いなくイケメンだった。


しかも、ずいぶんとあのままの様で、クリッとした瞳は不安げに潤み、鼻の頭と頬は真っ赤だった。


何もしてないのに、いや、何もしなかったからこそわき上がる罪悪感。


捨てられた子犬を見た気分だった。



でも、私には関係ない。明らかに年下だったが、一応男の子だった。


この状況で、見知らぬ異性に何と声をかけるというのだ。


すっかり酔いが醒めてしまった。シャワーでも浴びて寝ることにしよう。



そのまま、なんだかモヤモヤしながらシャワーを浴び、水を飲んでいて、


あっ・・・


余計な事を思い出してしまった。


それは、今朝の事。


あまり鉢合わせしない隣人と会ったのだ。


どっかの会社員らしき彼は、スーツの上にコートを羽織り、そして、その手には、でっかいキャリーバックが・・・。


私は、出張に行った事は無いが、あれは絶対に出張に行く出で立ちだった。


ということは、今日、隣人は帰ってこない。


つまり、さっきのイケメン君の待ち人は帰ってこないのだ。
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