拾った子犬(系男子)は身元不明
2.餌付け
切っていたこたつのスイッチを入れ、あったかいお茶を用意する。



「あ、すいません。ありがとうごさいます!!」



こたつで幸せそうに微笑むイケメンに思わずドキッとしてしまう。


「なんで、あんなとこにいたの?」



「俺、明日、大学の試験なんです。やから、従兄弟のにーちゃんに泊めてもらう約束してたんやけど。にーちゃん、忘れてしもうたみたいですね。

 連絡しようにも、携帯の充電切れてしまって・・・」


「明日?っていうか、それもう今日じゃない??」


驚く私に、彼は


「あ、ホンマですね。もう今日やな。」


のんきに言った。


「試験、何時から?」


「んー9時からやったかな?」


「どこ受けるの?」


「T大。」


何事も無い様に言ったのは、天下のT大だ。


「・・・駄目じゃん!」


思わず言ってしまった。


「・・・。これでもA判定でしたよ。」


T大にA判定。ちょっと頭がクラクラっとしたが、私は話を戻した。


「そうじゃなくて、T大行くなら、必死に勉強したんでしょ?」


まさか、ノリでT大A判定とは言うまい。


「・・・・そりゃ、しましたよ。それこそ寝る間も惜しんで。」


「なら、万全の態勢で臨まないと駄目じゃん!!」


「・・・。そうなる予定やったんですけどねぇ〜。」



そうなる予定やったんですけどね〜じゃない!!


よし、決めた!!


「今日は、ここに泊まりなよ!!」
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