拾った子犬(系男子)は身元不明
「へ?」


イケメンから、間抜けな声が出た。


「だって、もう1時だよ。これから寝る場所探すの?君、地元こっちじゃないよね?


 慣れない土地で何時間かかると思う?」


「そりゃそうですけど!でも、そんなん悪いです!」


「私だって、大学受験したんだよ。だから、気持ちわかるもん。

 これまでの努力が、最大限に発揮できた方がいいよ!!

 それには、ここに泊まるのがベストじゃない??」


「そ、そりゃ、そうさせてもらえたら、めっちゃ嬉しいですけど・・・」


「じゃあ、決まり!!

 明日は、朝早いよね?よし、寝よう!!!」


思ったら即行動。友人からも男らし過ぎると言われる私の行動に、あっけにとられるイケメン君。


「あ、あの。ホントにええんですか?

 後で、彼氏さんと揉めませんか?」


痛いとこを付かれた。


「・・・」


「あ、あの、おねーさん??」


「いない。」


「へ?」


「彼氏はなんて居ない。」


そう、サバサバしすぎて可愛げがない。とか、やっぱり友達以上には見れないとかそんな理由で振られ、ここ2年ほど彼氏は居ない。


「だから、そんなこと気にしなくて大丈夫!君は明日の事だけ考えて寝れば良いの!!」


ぐぅ〜


彼のお腹が返事した。


「もしかして、何も食べてない?」


「夕飯は食べたんやけど、19時くらいやったから。」


「冷凍のパスタ食べる??」


「いいんですか?」


うっ・・・


イケメンは今度はウルウルじゃなくて、キラキラした目で見てきた。


ホントに心臓に悪い。
< 7 / 24 >

この作品をシェア

pagetop