拾った子犬(系男子)は身元不明
「お風呂はいいの?シャワーならすぐに入れるよ。」


皿を用意しながら、気づいた。


「あー、そこまでしてもらうんは・・・」


「なんで、襲ったりしないし、入っておいで。」


「襲ったりって・・・それ、男の台詞とちゃいます??」


「さっき、未成年って言ってたじゃん!私、26だよ。無いでしょ。」


「・・・おねーさん、十分かわいいですよ?」


「お世辞は良いから入っておいで。その間にパスタ用意しとく。

 あ、着替えは?」


「着替えはあります。にーちゃんとこ泊まる予定やったから。」


「じゃあ、タオルは脱衣所のとこの引き出しにあるから、適当に使って。」


「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」


イケメンは風呂に行った。



冷凍庫からパスタを出しながら考える。


慣れた手つきで袋をあけ、皿に乗せ、電子レンジに入れる。


調理時間をいちいち確認しなくてもわかるのが寂しい。


こんなとき、手作りのパスタを出せるような子だったら、私の人生も違うのだろうか。



電子レンジのなかでクルクル回るパスタを見ながらそんな事を考えていた。


「おねーさん!!」


横から呼ばれて、ハッと我に返る。


「お風呂ありがとうございました。」


そこには、黒の上下のスエットに身を包んだ、良い香りのイケメン君がいた。


イケメンは、何を着てもイケメンだ。


♪チーン♪


丁度、パスタも出来たようだ。

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