赤い雫、青い雫
無数のキスマークと
……吸血された牙の痕
女を見たときから抱いていた疑問が解決される
俺の屋敷は人里離れた森の中にある
人間が迷いこむことなんてまずない
あるとしたら………
ここから少し離れた別のヴァンパイアの屋敷から逃げ出した人間ぐらいだ
ああ、面倒なことに巻き込まれたかもしれない
本来ならこの女をあっちの屋敷に送り返すべきなんだろう
だが、この体を見ると多少気の毒になる
同族の中ではあそこの屋敷のヴァンパイアは見境なく人の血を啜ることで知られている