許婚でたまるか!
「おい、冴木野郎。なんで放っとくんだよ?」


「は?何が?!」


「ーーーっこんなアザ!どうして今まで放っておいたんだよ?!!」


「アザ………?って、あぁ。コレか!…別に?そんなの俺の勝手」


「着替えたらあたしの部屋に即行で来い!!わかったな?!!」



バン!




あたしはアイツのヘラヘラ態度に頭にきて、思いっきりドアを強く閉めてしまった……。



なんだよ!


あの馬鹿!!


ひでぇ内出血だったじゃん!


なのに治療もしないでほったらかしかよ!!


本当はスゲー痛いに決まってる!




あたしは救急箱を探し出すと、急いで自分の部屋に戻った!






美香が凄い剣幕で脱衣所を出て行った後、ヒロはしばらく放心状態になっていた。


「あの猿……。怪我くらいでなんであんなに怒ってんだよ?」


美香が怒る理由は、この時のヒロにはわからなかった。
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