君のココロの向こう側
「……っ」



遠退いていく隆太郎の微笑みに、簡単に会えなくなる日がいつか必ず来る。

そんな現実が、1人になるとどうしても脳裏によぎった。





その日から、別れ際にキスをするのが当たり前になった。

バイバイの代わりに触れ合う唇に、はにかんで笑い合ったね。



そんな時間を過ごし、10月。



『受かった!』



開口一番、電話の向こうでそう言った隆太郎。



「ほんと⁉︎」

『嘘言ってどうすんだよ。ちゃんと合格って書いてる』



届いた合格の報せに、思わず涙が溢れた。



「よかったね……!」

『あぁ』



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