君のココロの向こう側
東京の専門学校に合格した隆太郎。

これで、遠距離になることは決まった。

だけど、隆太郎がすごく頑張ってたの知ってるから、合格したことは本当に嬉しかった。



『今度はお前の番だな』

「うん」

『多分これから会える日も少なくなるだろうけど、キツくなったらいつでも言えよ。話くらいなら聞けるから』

「うん、ありがとう」



隆太郎が夢を叶える第一歩を踏み出したんだ。

私も頑張らないと!

そう自分に喝を入れ、もう一度おめでとうと告げて電話を切った。





本格的な冬が訪れ、冷え切った12月のある日。



「……電話してもいいかな」



ここ二週間会ってない隆太郎のデータをケータイで呼び出し、画面を眺めた。

隆太郎は今、学校の下見の為に東京に行っている。



「いつでもって……言ってくれたもんね」



部屋にこもりっぱなしで勉強し続け、精神的に少し参っちゃってる。

けど、隆太郎の声を聞けば頑張れる気がして。



「かけちゃえ」



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