君のココロの向こう側
声が震えてる。

隆太郎の口数も、いつもより少なかった。

話すべきときに言葉が出てこないのはなんでだろう。



「もう……こんな時間」

「……」

「次の電車乗らなきゃ、新幹線間に合わないんでしょ……?」

「……うん」



次の電車まで、あと10分。

別れが確実に近付いてる。



「出会って……色んなことあったね」

「……」

「3年もずっと一緒にいたんだよ。中学の頃は、こんな恋愛が出来るなんて思ってなかった」

「……俺も」



目の奥が熱くなるけど、唇を噛んで必死に堪えた。

今まで隆太郎の前で沢山泣いたから、今日は笑顔でいるって決めたの。

絶対ぜったい、泣かないよ。



「隆太郎とだから、ここまで来れた」

「……なんでそんなこと言うんだよ」

「……」

「まるで終わりみたいな言い方」



……ごめん。

ごめんね、隆太郎。



「……まるでじゃない。終わりだよ」



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