課長、ちゃんとしてください。
「おっ、五十嵐くんじゃないか!」






次に笑顔で近寄ってきたのは、営業部長だった。






「どうだ、最近は?」





「ぼちぼちでんな〜」





「ははは、けっこうけっこう。今度一緒にどうだい、コレは?」






部長は右手で何かを掴むような形をつくり、くいくいと回す仕草をした。



どうやら、パチンコのことらしい。





不真面目な課長の趣味は、パチンコと競馬と麻雀といういかにも退廃的なものだ。




課長は嬉しそうに笑い、「いーですねーぇ、ぜひご一緒させてくださーい」と答えていた。






その後も、課長は色々な年齢層の社員たちに声をかけられながら、のらりくらりとした足取りで廊下を通り抜けた。






ーーーなんでこんな人が部下から慕われ、上司からも気に入られているのか、まったく謎である。







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