出会いと別れの季節


おじいちゃんは、縁側の外に目をやって


青い空をじっと眺めながら言った。


「・・・天国というところにいったんじゃよ。」


私は、こんがり焼けた手首で涙を拭う。


「・・・て、んごく?」


しゃっくり混じりで、私は聞き返す。


「てんご、くって、どんなと、ころ?」


おじいちゃんは、視線を青い空から私に移した。


「とっても素敵なところだ。」


そして、寝ているようなアユミの体をなでた。


「アユミは、死んでなんかいない。」


「・・・えっ?」


私はびっくりした。


「でも、目・・・あかな、いよ?」


「生きてるんだ。」


おじいちゃんはそう言うと、歯をみせて


笑顔で自分の胸に手をあてた。


「アユミを大切に育ててきた人たち、皆の心なかで


今も精一杯生きてるんだよ。」


私は、すっかり泣くのも忘れておじいちゃんの言葉を信じていた。


「・・・じゃあ、アミの心のなかでもいきてるのっ?!」


おじいちゃんは、ゆっくりうなずいた。
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