出会いと別れの季節
おじいちゃんの前に、二つくくりをした
幼い私が、正座している。
体を冷たくした、白い猫を前に
涙を流す私の耳におじいちゃんの言葉が
すっ、入ってくる・・・
「アユミは、どこにいってしまったかわかるか?」
私は、喉をひっくひっく鳴らしながら
大きく首を横に振った。
『アミの「ア」にユミの「ユ」・・・
そして、2人の「ミ」を足して「アユミ」
この猫の名前は、「アユミ」がいい!!
ね?おじいちゃん素敵でしょ?
私のいもうとなんだよ!』
どうしても妹が欲しかった私は、
近所に捨てられていた白い猫を家に持ち帰り
その猫を「アユミ」と名づけ、妹分にしていた。