出会いと別れの季節

家に帰る頃には、外はすっかり暗くなっていた。


「ただいまぁ・・・。」


玄関でブーツを脱ぐなり、私は重い表情で自分の部屋へと向った。


そして、『あみのへや★』と書かれた表札が


ぶら下がっている木製のドアをゆっくりと閉めた。


深いため息と同時に、黄色やオレンジでデコレーションされた


ベッドに思い切り飛び込む。


何もやる気が起きない。


ぼーっと、目の前に置いてあった


ピンクの大きなくまのぬいぐるみを見ていた。


彼氏に貰った、クリスマスプレゼント。


・・・ううん、【元カレ】に貰ったクリスマスプレゼント。


私は、足をバタつかせて


オレンジのハートが散らばった可愛い枕に


ぎゅっと顔をうずめた。


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