君がとなりにいた日には
私、謝った方がいいのかな...。


はぁ...。わかってる。わかってるよ。


でも、さとみも聖也も大切なんだよ...。


恋と友情をどっちか選べなんて私にはできない。


どうしたらいいの...もぉ...。



すると、前から



ふんふーんーんんふ〜


鼻歌...。だれかわからないけど面白い。



誰だろう。チラッと顔を見ると...。


「あーー!」


廊下に響きわたる私の声。


「えっと...。ひ、陽向?」


「あれ、もしかしてこないだあった...」


「うん。こないだはありがとね。」


「いや、あれぐらいお安い御用だよ。」


「ふふっ、さっきの鼻歌...。面白かった。」


「えー、まじで〜、聞いてたんかい...。はっず...」



「あ〜、そーいえば、どこ行くとこだったの?」


「あー、聖也に用があって...。」


うそ...、今一番聞きたくない名前...。


「えっ、陽向さ、聖也と知り合いなの...?」


「え、知り合いも何も、俺のバスケ部のレギュラーだからな。まさにエースだし。」



「そ、そうなんだ...。」


「え、陽向ってバスケ部だったの?」


「そうだけど、どうしたんだよ、急に。」


「いや、なんでもないけど...。」



「ふーん。んじゃ、俺急いでるから。またなっ!」


「うん...。」


とりあえず、私は聖也に会いたくなった。


必死で走った。


でも、いない...。
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