嘘を重ねて。
手を引かれて病院を出ると
タクは言った
「ユエ。会って欲しい人がいるんだ」
「…??」
突然そう真剣な眼差しを向けられた私は
首を傾げる事しかできなかった
引かれるままに連れていかれた場所に居たのは
「…お母…さん…」
母親だった
一歩二歩と後ずさりして
私はタクの顔を見た
すると“大丈夫”と柔らかく微笑んで
私の手を強く握り
「…俺が隣にいるよ??」
と言って頭を撫でた
ずっと逃げてきた
家族との関係
タクはきっと
私が苦しんでいる理由を察したんだと思う
一人ぼっちじゃ何もできなくて
怖くて仕方なくて…
でも今は…タクが居てくれる。
そう思うと大丈夫な気がした。
“スゥ…”と息を吸い込むと
私は母親の方に向き直った