ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「ミカコさーんっ!!」
嬉しくて、ミカコさん目差してゴミの山をよじ登る。
古タイヤを踏み付けて、壊れた旧式テレビに手をかけ、
更に飛び出た板切れに足をかけて、やっとミカコさんに手が届いた。
ミカコさんは逃げなかった。
どうやら、かなりお疲れみたい。
小さなハムスターにしたら、
大冒険。
ヘトヘトに疲れているミカコさんは、抵抗することなく私の右手にすっぽり収まってくれた。
良かったと、ホッと息を吐きだした私だが、
安心するのが早過ぎた。
足場にしていた板切れが、バキバキ音を立てていた。
ヤバイ……
そう思った時には、もう遅い。
板がバッキリと折れて、完全に足場を失った。
地面からは2メートルもない場所で、決して高いくはないのだが、
落ちた場所が悪かった。
ミカコさんを抱えたまま、ドスンと尻餅をついた場所は、古井戸の上。
フタにされていたベニヤ板は、
朽ちてボロボロ。
私の体重に耐え兼ねて、板がバキバキと割れてしまい、
私とミカコさんは井戸の底まで落下してしまった。