ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
端っこのスチールラックから順に備品を数えて、
チェックシートに記入していった。
広い保管庫の半分、時間にすると1時間が経過した時、
ギィィと扉の開く音がした。
庶務の誰かが、補充用の備品を取りに来たのだと思ったが、
違った。
入って来たのは、顔だけ見たことのある若い男性社員だ。
キョロキョロしている彼に、
「お疲れ様です」
と声をかけ、一応私の存在を知らせておいた。
その後はまた、地味なチェック作業に戻る。
ええと、伝票用紙の詰まった箱が、123……10箱。
印刷用カートリッジの箱が、
123……14箱。
残すは、大きなスチールラックが5つ。
まだまだ数える備品が一杯あるけど、やるしかない。
ひたすら数え続ける私の横には、
人影が。
「ねぇ、聞いてる?」
そう声をかけられた。